熱中症の予防 「危険」のサインに気づきたい

 梅雨明けが進む中、日本各地で猛暑が続く。気象庁は、平年を上回る暑さが少なくとも8月中旬までおさまらないとの予報を出している。熱中症への注意が欠かせない。

 

 総務省消防庁によると、今月3~9日の1週間に、熱中症で救急搬送された人は4241人に上った。前週の2倍以上だ。昨年と比べて、北海道や宮城県など北日本で増加が目立つ。

 搬送された人のうち、18歳未満は16%、65歳以上は50%だった。子供は、地面からの照り返しの熱を受けやすく、体温調整機能も発達していない。お年寄りは、体調の変化に自分では気づきにくい。周囲の目配りが大切である。

 熱中症では、体温の上昇や疲労感、めまいが生じる。重症になると、全身のけいれんや、意識障害なども起きる。高い気温や湿度に体が適応できないことが原因だ。命を失うこともある。

 症状が出たら、涼しい場所や日陰に移動し、安静にする。水を飲み、れタオルや保冷剤、扇風機で体を冷やす処置が効果的だ。

 のどの渇きを感じる前に、こまめに水分を補給することが予防策となる。十分な睡眠や栄養管理を心掛けて、体調を維持したい。

 外出時は、風通しのよい、ゆったりした服装が望ましい。強い日差しを避けるため、日傘や帽子なども必須だろう。

 屋内でも、油断できない。患者の3~4割が、自宅から救急搬送されている。エアコンや扇風機をしっかり使い、室温を常時28度以下に保つことが肝要だ。

 気がかりなのは、九州北部の豪雨の被災地が、30度を超える暑さに連日見舞われていることだ。熱中症のなりやすさを示す指数は、「危険」や「厳重警戒」のレベルに達している。

 多くの人が避難生活を送る。心身の負担は大きい。自治体は、避難所の空調や衛生などの生活環境に細心の注意を払ってほしい。

 避難者の支援や復旧作業にあたる自治体関係者、ボランティアらも無理は禁物だ。

 熱中症の予防には、最新技術の活用が進んでいる。

 工事現場などの作業員が身に付けるセンサーから、気温や湿度、体温、心拍数、歩数などが送られる。人工知能がデータを分析し、熱中症の危険度を測る。必要に応じて、休憩や水分補給を促すメッセージを作業員らに送信する。

 こうしたシステムをIT企業や建設会社が開発した。今後の普及を期待したい。