【12月19日 AFP】10月に発見された太陽系内を超高速で移動している葉巻形の天体は、表面が有機物質で覆われているとの研究結果が18日、発表された。この天体は別の恒星系から飛来し、太陽系内で特定された史上初の恒星間天体だ。

 ハワイの言葉で「使者」を意味する「オウムアムアOumuamua)」と命名されたこの天体は、描く軌道が非常に奇妙だったことから、即座に太陽系外から飛来した天体と判断された。約2か月前に地球上の複数の望遠鏡に初めて捉えられた。

 別の恒星系から飛来する恒星間天体をめぐっては、大半が小型で、彗星(すいせい)のように本体が主に氷でできていると天文学者らの間では長年考えられていた。

 だが、9月に太陽に接近通過した際、オウムアムアは彗星のように溶けた氷と塵(ちり)の「尾」を放出しなかった。これは、オウムアムアが氷の表面を持たず、実際は主に金属と岩石で構成される小惑星の仲間に属している可能性があることを示唆している。

 英クイーンズ大学ベルファスト校(Queen's University Belfast)などの天文学者チームが18日に発表した研究結果によると、オウムアムアの本質は謎のままで、彗星の特徴を持つとする説を排除できないという。

 オウムアムアは有機物に富む物質の厚さ50センチの層で覆われており、この層が太陽の熱による内部の氷の蒸発を防いだ可能性があることが、分光器の測定データで明らかになったのだ。

 このことについて研究チームは、英科学誌ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)に発表した論文に「内部が氷で構成されている可能性を排除できない」と記している。

 オウムアムアは全長約400メートル、幅約40メートルと細長い。このような形状の小惑星はこれまでに一つも見つかっていない。どこから飛来したかはまだ不明で、数十億年もの間宇宙空間をさまよった後に時速9万5000キロの猛烈な速度で太陽系に到達した可能性があると推測されている。

 太陽系を側面から見て、惑星が平面上で太陽を公転しているとすると、オウムアムアは「上」からほぼ90度の角度で太陽系に入り、最も内側の惑星である水星の軌道の内側で惑星の公転平面を貫通し、U字形の急カーブを描いて太陽系の外に向かって移動している。

 地球外文明の証拠を探査する研究チームが先週発表したところによると、オウムアムアから地球外生命体の存在を示すような信号は検出されなかったという。

■理論は正しかった

 論文の共同執筆者で、クイーンズ大ベルファスト校のアラン・フィッツシモンズ(Alan Fitzsimmons)氏はAFPの取材に、オウムアムアを覆う層は、起源とする恒星系に存在する氷と炭素に富む原初物質から形成された炭素化合物でできていると語った。

 

 この被覆層は「数億年あるいは数十億年もの間にわたり星間空間でエネルギー粒子が元の表面に衝突することで生じる反応によって形成」されたと、フィッツシモンズ氏は説明する。

「それが何に似ているかを明らかにするのは難しいが、石炭塵と(鉛筆の芯に使われる)黒鉛との間の何かだと考えられる」と、フィッツシモンズ氏は述べた。

 炭素は、宇宙で最も一般的な元素の一つだ。

 フィッツシモンズ氏は今回の研究結果について、太陽系がその歴史において、外部にはじき出してきた氷に富む天体とオウムアムアとが似ていることを示唆している点が興味深いと指摘する。

オウムアムアが太陽系の天体と類似点を持つことにより、形成時における惑星系の組成に関する一般理論が正しい可能性があることが示唆される」

 科学者らによると、毎年約1個の恒星間小惑星が内太陽系を気付かれずに通過すると考えられているという。

 オウムアムアは望遠鏡で捕捉された初の恒星間小惑星だった。